新宿歌舞伎町に「歌舞伎町地区熱エネルギーセンター」というエネルギープラントがあることを、皆さんはご存知でしょうか?
「新宿熱供給株式会社」という事業体により、「歌舞伎町地区一帯に、熱供給を効率的に行うこと」を目的として、「省エネルギーや地球温暖房化防止に貢献し、大気汚染・都市災害の防止や都市景観の向上」を目指して日々運営されています。
近年、地球温暖化防止が急務の中、エアコンの温度設定や、リサイクル活動に参加したり、自動車ではなく公共交通機関を利用したり、一人ひとりの生活レベルで意識を高くしてこれらの努めていると思います。
特に、「温室効果ガスの排出を抑制すること」が、温暖化防止に貢献すると言われています。これらの温室効果ガスは、建物や住居等で使用する「熱エネルギー」の消費によって排出されます。この「熱エネルギー」を効率よく複数の建物で管理/運用を一括して行うことにより、温室効果ガスの排出を抑制することができ、地球温暖化防止にもつながる、というのがこの「新宿熱供給株式会社」が推進する「熱供給事業」です。
例えば、ホテル、事務所等が入っている建物、商業施設や病院。
これらの建物が個々に温度を調節したり、熱エネルギーを生成しようとすると、費用負担や、専任技術者の確保等が課題となりますが、複数の建物の熱エネルギーを一括して管理すると、効率的にエネルギーの運用ができることはもちろんのこと、都市災害発生時のリスクを軽減できたり、大型の機械を各々設置する必要がなくなるため屋上を緑化するスペースの有効活用ができたり、さらには、都市景観が保たれる、という良いこと尽くしのプロジェクトなんです。
この、歌舞伎町地区の熱エネルギーを管理するセンターがどこにあるかと言うと….
大久保病院や健康関連施設が入っている、「東京都健康プラザハイジア」の地下4階にあります。
併設されているエネルギープラントで冷暖房や給湯に使用する冷水や蒸気を製造し、ここから地下のパイプラインを通じて、各施設に供給されていきます。
現在は、大久保病院、東京都健康プラザハイジアに供給されていて、将来は、歌舞伎町一帯の建物に供給される予定です。
実は、今回特別に、この「熱エネルギーセンター」から、近日供給が開始される「新宿東宝ビル」までの洞道トンネルを歩かせて頂く許可を頂き、お邪魔してきました。
地下4階の入り口にエレベーターで降下します。地下にこんなところがあったんですね。エレベーターがピカピカです。
ここで施設の概要について、お話をお伺いしました。
安全の為、ヘルメットを着用します。
まずは、ボイラ室です。分かりやすく解説パネル使って説明してくださいました。
中央監視室です。ここで稼働状況等をモニターしています。
冷凍機室です。熱をもった水を、蒸気と冷水に分ける作業を行います。
足場が不安定に思えて、素人はおっかなびっくり…
東宝ビルに向うトンネルの途中がこちらです。
入り口です。
中腹部です。
暗いトンネルの中を出ると…
この空間に出ます。ちょうど、シネシティ広場の北西側の下に位置するそうです。 普通では見学出来ないエネルギープラントと言うところを拝見させて頂き、この施設でここでエネルギーが効率的に管理されているんだということ事が体感出来ました。
実は、この熱供給事業は、全国の大都市でも積極的に活用されています。例えば、皆さんがお休みの日に足を運ばれているデパートや、お勤めされている大型のビルや施設、さらにはコンサートや芸術鑑賞用の建物等も、実は同じ発想の下、効率的且つ、安全に運用されています。
新宿歌舞伎町の地下には、次世代へ受け継ぐ地球環境のことを日々考え、快適な住環境を守ってくれている方々がいらっしゃいます。
歌舞伎町へお越しになるみなさんに、快適に街を楽しんで頂きたい、そしてもっとたくさんの方に街へ足を運んで頂きたい、というそんな志に、タウン・マネージメントとしても強く共感を覚える貴重な視察でした。