平成17年(西暦2005年)から推進されている「歌舞伎町ルネッサンス」。
この「歌舞伎町ルネッサンスとは?」を詳しく知りたい方は「こちら」をお読み頂ければと思いますが、わかりやすく表現すると「歌舞伎町を再び盛り上げて活性化しよう!」という一言に尽きます。
「夜の街としては今までも盛り上がってたじゃないか。」というお声が聞こえてきそうです。
「夜しか行ったことないなぁ」、そんな方もいらっしゃるかもしれません。
これまで、みなさんが「歌舞伎町」という街に対して抱いていたイメージは「キケン」とか「キタナイ」とか「キツイ」。まさに3Kだったかもしれません。
では、最近の歌舞伎町はどうでしょうか?
新たなエンターテインメント施設ができたり、スポーツができる公園が整備されたり、行ってみたいと思う美味しそうなイベントが開催されたり、親子で観覧・参加が可能なイベントがあったり。
「以前はあんまり訪れなかったけれど、最近はよく行くようになった」とか、「前よりも街がキレイになった」とか、「歩きやすくなった」など感じている方もいらっしゃると思います。
このような声があがるようになったのは、「歌舞伎町ルネッサンス」のもとに、誰にとっても安全で安心できる街になるよう取り組んだ様々な活動が実を結んだ結果です。
このたび取り上げるのは、これらの取り組みの中の一つである「歌舞伎町アートプロジェクト」。
以前、歌舞伎町では街のいたるところに落書きが溢れていました。落書き行為はを迷惑と感じる方がいる以上、「迷惑行為」以外の何ものでもありません。
こういった落書き行為を防ぎ、居心地の良い街並みにするため、平成26年(西暦2014)から「歌舞伎町アートプロジェクト」がスタートしました。
この「歌舞伎町アートプロジェクト」は街の美観だけでなく、「芸術活動されている方に歌舞伎町の街を作品発表の場として活用してもらおう!そして、街を訪れる方に楽しんでもらおう!」という試みでもあります。
今回、「歌舞伎町アートプロジェクト」活動をいくつかご紹介したいと思います。
第1弾 「しんじゅく大行進」
■ 実施 平成26年1月(※仮囲いは撤去されたため、現在観覧は不可です)
■ 場所 シネシティ広場仮囲い
■ アーティスト 蟹江杏(敬称略)
歌舞伎町シネシティ広場の改修工事中に設営された仮囲いフェンスに描いていただきました。
蟹江杏さんならではの優しい色味と筆致が街を優しい雰囲気にしてくださり、多くの親子連れが作品の前で足を止めてくださいました。
第2弾 「JagzZ TrickArT」
■ 実施 平成26年3月(※仮囲いは撤去されたため、現在観覧は不可です)
■ 場所 新宿東宝ビル建設現場仮囲い
■ アーティスト black-box(協力:宝塚大学)(敬称略)
新宿東宝ビルの建設工事中に設営された仮囲いフェンスに。
トリックアートの技巧をこらした作品を発表していただきました。
作品の前で写真撮影される海外の方なども多く見受けられました。
第3弾 「富士山」
■ 実施 平成26年4月
■ 場所 花道通りトランスボックス
■ 参加アーティスト サダヒロカズノリ、蟹江杏、ウタマロケンジ、ソメヤケンジ、松本里美(敬称略)
歌舞伎町の花道通り沿いにあるトランスボックス(変圧器ボックス)に描いて頂きました。
富士山をモチーフに、様々な表現方法を駆使してくださり、街並みに得も言われぬ重厚感をもたらしてくれています。
近寄って筆致を見たり、遠目で全体を見てみたり、街の中で画を楽しむことができます。
第4弾 「弁財天の龍」
■ 実施 平成26年9月
■ 場所 歌舞伎町公園 町会防災倉庫壁面
■ アーティスト 東學(敬称略)
こちらの記事でも紹介しています。
この壁画は、なんと歌舞伎町の町会防災倉庫に描かれています。
この倉庫ができるだけ必要になるような災いが訪れないよう、描いてくださった龍が「守ってくれている」感じを受けます。まさに守護のよう。
思わず吸い込まれるような、圧倒されるような感覚に陥ります。
第5弾 「怪獣street」
■ 実施 平成27年3月
■ 場所 西武新宿駅前通りトランスボックス
■ 参加アーティスト
サダヒロカズノリ、蟹江杏、永野徹子、ソメヤケンジ、中野真紀子、ウタマロケンジ、高尾斉、東學、くわナよしゆき(敬称略)
日本の怪獣をモチーフに、西武新宿駅前通りのトランスボックス(変圧器ボックス)に描いていただきました。
こちらの作品はぜひ現地でご覧いただきたいです。
にぎやかな通りをポップに、そして「どうやって描いたんだろう?」と一瞬で興味を惹かれる作品ばかりです。
第6弾 「弁財天地龍虎」
■ 実施 平成27年10月
■ 場所 歌舞伎町公園
■ 作者 東學(敬称略)
※第4弾の「弁財天の龍」に引続き虎の絵が描かれ、1つの作品として「弁財天地龍虎」と名付けられました。
龍と虎の画を対極になるよう描いて頂きました。
伝統ある弁財天の建物が、まるで息をしているかのように感じます。「ここに何かいる」とも感じるとか。(感じないとか。)
なお、これらアートプロジェクトは、現在も継続的に行われています。
ここではご紹介しきれなかった作品も数多くありますので、ぜひ歌舞伎町を訪れた際にご覧ください。